ハローワークを通じた障害者の就職件数が8年連続で前年を更新

厚生労働省から、平成30年4月以降の障害者の法定雇用率が2.2%(民間企業の場合)に引き上げる旨の方針が示され、今後、これまで以上に障害者雇用に対する積極的な取組みが求められています。これに関連し、先日、平成28年度の障害者の職業紹介状況の取りまとめの資料が公表されたことから、今回はこの内容について見ておきましょう。

1.障害者の就職件数
ハローワークへの新規求職申込件数は191,853件(前年度187,198件)となっており、対前年度に比べ4,655件、2.5%増加しています。これに対し、障害者の就職件数は93,229件(前年度90,191件)となっており、対前年度に比べ3,038件、対前年比3.4%増加し、その件数は8年連続で前年を更新しています。また就職率は、48.6%と前年度に比べ0.4%上昇しました。

就職件数の推移を見てみると、下図のようになっており、特に精神障害者の就職件数が大幅に増加していることがわかります。これには身体障害者だけでは、障害者に対する企業の雇用ニーズを満たせないという背景があり、今後は知的障害者や精神障害者の雇用にも取り組まなければ、十分な人数の障害者の雇用の確保ができないということを表しています。

2.産業別・職業別の就職状況
産業別に就職状況を見てみると、就職件数全体(93,229件)のうち「医療、福祉」が35,386件と全体の4割近くを占めており、「製造業」12,268件、「卸売業、小売業」11,547件と続いています。
また職業別に就職状況を見てみると、「運輸・清掃・包装等の職業」が32,499件と全体の3分の1強を占めており、「事務的職業」18,738件、「生産工程の職業」12,366件、「サービスの職業」11,242件と続いています。障害種別の就職状況では、身体障害者については「事務的職業」(7,087件、全体の26.3%)、知的障害者については「運輸・清掃・包装等の職業」(9,847件、全体の48.4%)の割合が、他の障害種別に比べて高い状況となっています。

法定雇用率は2.2%からその後、さらに2.3%へ引き上げる方針となっています。来春に向け、更なる障害者の雇用ニーズが高まることは確実で、その採用はますます厳しくなるでしょう。早めに障害者雇用の計画を立て、具体的な取組みを行っていくことが望まれます。

■参考リンク
厚生労働省「ハローワークを通じた障害者の就職件数が8年連続で増加」http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000166251.html

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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